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観劇『藪の中』

  • 2013.06.17 Monday
今回観に行ったのは「極上文学」という、文学作品を題材にした朗読劇のシリーズの内の『藪の中』。
劇場は、私は初めて行く、俳優座劇場。客席数300席の中規模の劇場です。

極上文学シリーズを観るのも初めてだったのですが、版権切れ作品の朗読劇と思ったら大間違い。
原作の『藪の中』を他の芥川作品とミックスしてより厚みを増した物語、朗読劇と呼ぶにはあまりにアクティブな迫力のある立ち回りでビックリしました。
また、メインの4役に対して役者さんが2〜3人ずつキャスティングされているのですが、毎回違う組み合わせで上演されるマルチキャスティング。
計3回、観させて頂きましたが、毎回雰囲気の違う舞台になっていました。

顕著に違いを感じたのは、藤原祐規さんと林修司さんの検非違使でした。
一方は、世の中の不条理、特に自分以外の人達に降り掛かる謂れのない不幸に憤りを感じている心優しい役人。もう一方は、不条理を承知した上で職務を忠実に全うしようとする誠実な役人のように見受けられました。
演出に冗長性を持たせたのか、あえて両極端に振り分ける演出が付けたたのかは分かりませんが、原作には「検非違使に問われたる木樵の物語」のように文字としては登場するものの人と也が分かる記述もない人物だからこその「あそび」があって、良かったと思います。
どちらの検非違使もとても素敵でした。

そして、一番印象に残ったのは、多襄丸役の津田健次郎さんの熱演です。
荒々しさも繊細さも兼ね備えていて、立ち回りも力強く美しく、存在感が圧倒的でした。
今回の脚本に追加されている部分も含めて、とても深みのある多襄丸になっていたと思います。
津田さんから発せられるパワーに感動して、物語の場面とは関係なく涙が出てしまいました。

1点だけ気になったのは、アンサンブルの役者さんのお写真がパンフレットになかったこと。
メインの有名な役者さんの扱いが大きいのは仕方ないとしても、折角舞台上で顔も見えている方々なので、お写真くらい載せても良かったのではないかと思います。
アンサンブルの方、スタッフさん、全部含めての公演なので、全員大事にして欲しいです。
この公演を入り口にして、劇場に足を運ばれるようになるお客様もいらっしゃると思うので、お目当ての役者さん以外にも何か発見をして貰えるような、アンサンブルの方やスタッフさん達全部を含めての公演であると改めて感じてもらえるようなひと手間があると、もっと良かったように思います。
(入稿期限、ページ数や見せ方の問題など諸事情あるのは重々承知しております。)

このような作品を通じて舞台を観るようになる方、文学作品を読んでみようと思う方、改めて読み返そうと思う方も沢山おられるはず。
そういった意味でも、このシリーズが長く続いて行って欲しいと思いました。

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極上文学『藪の中』
2013.6.12(Wed)-16(Sun)
@俳優座劇場
原作:芥川龍之介/演出:キムラ真/脚本:神楽澤小虎

詳細はコチラ↓「藪の中」公式ページ
http://www.gekijooo.net/%E6%A5%B5%E4%B8%8A%E6%96%87%E5%AD%B8%E2%85%A3-%E8%97%AA%E3%81%AE%E4%B8%AD/
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この公演のうち3回は、後日ニコニコ動画にて有料配信されるそうです。
マルチキャスティングなので全ての組み合わせとは行きませんが、すべてのキャストを網羅できる配信になっていますので、ご興味のある方は、是非この機会にご覧になって下さい。
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〇訥芦椎輯間:2013.7.7(Sun)21:00-2013.8.31(Sat)23:59
 配信対象公演:13日夜公演(キャスト…津田健次郎・松本寛也・玉城裕規・藤原祐規)
∋訥芦椎輯間:2013.7.14(Sun)21:00-2013.8.31(Sat)23:59
 配信対象公演:14日昼公演(キャスト…玉城裕規・松本寛也・蒼井翔太・林 修司)
視聴可能期間:2013.7.21(Sun)21:00-2013.8.31(Sat)23:59
 配信対象公演:14日夜公演(キャスト…小野賢章・鮎川太陽・蒼井翔太・林 修司)
※アンサンブルは全公演共通…赤眞秀輝、松本祐一、杉原大平、中村葵

詳細は下記の「藪の中」公式ページ、ニコニコ動画の情報をご確認下さい。
http://www.gekijooo.net/%E6%A5%B5%E4%B8%8A%E6%96%87%E5%AD%B8%E2%85%A3-%E8%97%AA%E3%81%AE%E4%B8%AD/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%B3%E5%8B%95%E7%94%BB/
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そして、今回、観劇するにあたって原作を読み返した時に改めて気付いたのですが、短編集に収められているので書籍のタイトルとしては「藪の中」という文字が入っていないのですね。(入っている物もあるのかもしれませんが)
ご参考までに、私の手元にある文庫本をご紹介しておきます。(下記参照)


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